
実技試験 穴埋め問題の分析
実技試験には、必ずと言ってよい程穴埋めの問題が出題されます。典型的な問題は、地上天気図が与えられて
、そこに記述されている記号や風速などを答える問題です。更に850hPaや700hPaの高層天気図を併用して低
気圧や前線の動向などが質問されます。
ひとつの答えに対して配点は1点と小さいのですが、多い時は12個ほどの解答が求められて、ここだけで
10点前後が得点できることになります。合格ラインが60数%であることを考慮すると、穴埋め問題を完璧
に答えられればかなり有利であることに違いはありません。
そこで、過去の第31回試験から直近の第49回試験までの実技1、2について穴埋め問題を分析してみまし
た。分析してみると、ある程度傾向が見えてきましたが、それだけ勉強すればよいという事ではありませんの
でご留意ください。あくまで皆さんの勉強の参考にしていただければと思います。
ひとつの穴埋め部分を1個と数えて総数との比率を求めてみると以下のようになりました。
【大分類】
1.高層天気図関係 27%
2.地上天気図関係 21%
3.台風・低気圧 20%
4.警報・注意報 11%
5.海上警報 9%
6.その他 12%
やはりと言うか、想像通り、地上天気図と高層天気図関係で約50%を占めています。尚、地上天気図や
高層天気図でも解答が台風や低気圧に関係する場合は3項に入れています。また海上警報も地上天気図で
すのでの1項~3項、5項で80%近くになり、残り20%が警報・注意報・災害留意事項などです。
【高層天気図関係】
・850hPa関連(気温・風・相当温位・温度移流など) 47%
・500hPa関連(気温・渦度・高度・トラフなど) 35%
・700hPa関連(鉛直流・湿数など) 11%
・300hPa関連(強風軸・高度など) 7%
高層天気図では、850hPaと500hPaに設問が集中していますね。両者を足すと80%を超えます。
【地上天気図関係】
・天気図記号関係(弱いしゅう雨、弱い雨、雷電、もや、霧雨など) 24%
・10種雲形(積雲、高積雲、積乱雲、層積雲、巻雲など) 20%
・風向・風速 15%
・気圧(変化傾向、気圧配置、気圧傾度など) 13%
・降水(降水量、降水の時間帯など) 9%
・その他(気温、地域・海域名、波高、雪水比など) 19%
天気の記号や雲形の記号は基本として覚える必要がありますが、弱いしゅう雨や積乱雲などは頻繁に出題
されています。
【台風・低気圧】
・移動方位、速度 34%
・中心気圧 20%
・最大風速 16%
・強風・暴風範囲 13%
・その他(台風階級、中心位置など) 17%
ここでは、やはり移動方向、速度、中心気圧などが出題の中心になっています。
【警報・注意報】
・警報・注意報名 56%
・災害留意事項(落雷、突風、短時間強雨、河川増水など) 28%
・その他(雨量指数など) 16%
警報・注意報の名称と災害留意事項で80%を超える出題率になっています。